IR法によるカジノの誘致に反対する声明
カジノを含む総合型リゾート施設(IR)の整備を推進する法「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」が成立し、その経済的波及効果を期待して、北海道内でも数カ所の自治体がIRを誘致しようとしています。しかし、カジノを含むIRの誘致は、今でも深刻なギャンブル嗜癖問題をさらに悪化させ、その結果、家庭が崩壊して子どもの育つ環境が益々劣悪になるおそれがあります。このようなことから、私たちは、子どものこころの健やかな発達を願う立場のものとして、カジノを含むIRの誘致に反対します。
カジノが日本国内に存在しない現在でも、ギャンブル嗜癖は子ども達を脅かしています。親がパチンコなどのギャンブルに熱中した結果、家計が破綻し、養育環境が破壊され、子ども達は貧困とネグレクトで苦しんでいます。
子どもの健やかな発達のためにも、ギャンブル嗜癖問題は解決すべき大きな問題です。
さらに、ギャンブルは青少年のこころの発達に悪影響をおよぼす強い懸念があります。射幸心を刺激して金銭的な幻想をいだかせるギャンブルは、社会人としての人格を形成する時期にある青少年のこころの発達を歪めてしまう可能性があります。
私たちは、北海道内の自治体がカジノを含むIRを誘致することに反対の意思を表明します。あわせて、現在でも深刻な問題となっているギャンブル嗜癖に対し、精神医学、心理学、教育、福祉、司法などの専門家による会議を設置して議論を深め、本格的な対策を講じることが必要であると訴えます。
平成30年3月13日
北海道児童青年精神保健学会 (会長 氏家 武)
北海道臨床心理士会 (会長 河合祐子)
北海道子どもの虐待防止協会 (代表 間宮正幸)
北海道児童養護施設協議会 (会長 高橋一彦)
札幌児童養護施設協議会 (会長 秦 直樹)
全国自立援助ホーム協議会北海道ブロック(代表 屋代通子)
賛同団体
札幌市小児科医会 (会長 中田修二)
北海道精神保健福祉士協会 (事務局長 高野和美)