北海道臨床心理士会 会員の皆様
平素より大変お世話になっております。標記の件につきましてご連絡申し上げます。
来る10月29日(日)に2023年度北海道臨床心理士会第2回研修会を開催いたします。
オンラインカンファレンス『一から学ぶ、メンタライゼーション~日々の臨床にどう生かすかを学術的に検討する~』
今回は、北海道臨床心理士会では初となる、メンタライゼーションをキーワードとするカンファレンスです。
メンタライゼーション(Mentalization)とは、自分や他者の言動を、その背景にある心の状態(様々な思考や感情)に基づく意味のあるものとして読み取り、理解しようとすることをいいます。
MBT(メンタライゼーションに基づく治療:Mentalization Based Treatment)は、精神分析家・臨床心理学のピーター・フォナギー(Dr.Peter Fonagy)とアンソニー・ベイトマン(Anthony Bateman)が愛着理論等を元に考案し、境界性パーソナリティー障害に対する治療・サイコセラピーとして始まりました。現在はその適用範囲を、様々なパーソナリティー障害やうつ病、摂食障害や薬物嗜癖、トラウマ治療、成人からグループそして子どもやその家族、医療領域から教育・福祉領域へと広げています。
多用な精神症状や行動上の問題の背景に、メンタライジング能力の機能低下があり、支援者との関係を混乱させる重要な要因にもなりうると考えられるからです。
MBTではメンタライジング能力を評価し、回復を促す介入を行うことで、クライエントが自身や他者の心について考えられるようになること、それに伴う対人関係や気分の調整を支援します。不安定な愛着や関係性のトラウマを背景とした問題を抱える子ども達とその養育者、家族に対する支援方法としても、注目を集めています。
当日は、相模女子大学の荻本快先生をお迎えし、話題提供をいただきます。後半は前半の荻本先生の話題提供を受け、なおこ心理相談室の足立直子先生に臨床実践をご報告いただき、フロアを交えたディスカッションを予定しています。様々な領域で活躍される会員の皆さまが、日々の臨床を振り返り、支援の対象者とどう向き合うか再検討する機会となればと思います。皆さま、どうか奮ってご参加ください。よろしくお願い申し上げます。
記.
2023年度第2回研修会
対 象 北海道臨床心理士会会員
場 所 オンライン(zoom)
参加費 2,000円 ※Peatixご利用の場合,手数料として+300円かかります。
※参加費は事前振り込みとさせていただきます。お振込みをもって申し込み完了となります。
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【第1部】 10:00~12:00 話題提供 「メンタライジングに基づく治療(MBT)入門」
●話題提供者 荻本 快 先生(相模女子大学 子ども教育学科 准教授)
心理教育の臨床で説明されるメンタライジングについて紹介し、メンタライジングに焦点を当てた個人と集団に対するサイコセラピーの実践例を話題提供していただきます。
【第2部】 13:00~16:00 事例検討 『(仮)メンタライジングの視点で日々の臨床を振り返る』
●実践報告:足立 直子 先生(なおこ心理相談室)
●ファシリテーター:荻本 快先生
臨床実践の報告を受け、フロアも参加してのピアスーパーヴィジョンによって、臨床においてメンタライジングが低下している点を同定し、介入についてメンタライジングの観点からディスカッションします。荻本先生にはファシリテーターとして参加いただきます。
*ピアスーパーヴィジョン:同じ立場にある 支援者同士が「支持的機能」「教育的機能」「管理的機能」を意識して、スーパーヴィジョンを行うこと。
<お申し込み期日>2023年10月23日(月)まで
*荻本先生はMBTの訓練・研修(Training)をおこなう資格を取得するためのトレーニング期間中です。現時点で訓練・研修(Training)を提供する資格を持っておられません。そのため荻本先生は指導者(トレーナー・研修講師)としては登壇しません。英国アナフロイトセンター認定訓練資格保持者のLinda Treliving M.D.(精神科医)の監修を受け話題提供者として参加し、学術的なディスカッションを行います。後半はピアスーパーヴィジョンをファシリテーションします。
※本研修会は臨床心理士資格認定が定める第2領域のワークショップ型研修会に該当します。
お申し込みはこちら ※お申し込みは締め切りました。